化学業界の会社分析

レゾナックの会社分析と転職情報【半導体材料と化学製品で世界市場に挑む総合化学メーカー】

レゾナック・ホールディングス株式会社は、2023年1月に昭和電工株式会社と昭和電工マテリアルズ株式会社(旧・日立化成)が経営統合して誕生した総合化学メーカーです。

化学製品から電子材料、半導体向け製品、機能性材料まで幅広い分野で事業を展開。

特に半導体パッケージ材料や電子基板向け製品は世界的に高いシェアを持ち、EV・再生可能エネルギー・デジタル化社会の成長と共に事業拡大が期待されます。

この記事では、レゾナックの企業概要、事業構成、強み、将来性、そして転職希望者が押さえるべきポイントを解説します。


企業概要

  • 会社名:レゾナック・ホールディングス株式会社(Resonac Holdings Corporation)

  • 設立:2023年(前身企業の起源は1939年)

  • 本社所在地:東京都港区

  • 従業員数(連結):約25,800人

  • 売上高(直近期):約1兆4,000億円

  • 平均年収:約830万円

  • 海外拠点:米国、台湾、中国、韓国、マレーシア、ドイツ、シンガポールなど


主な事業分野と製品

1. 半導体・電子材料事業(主力)

  • 半導体パッケージ用封止材

  • フォトレジスト

  • 半導体用研磨材(CMPスラリー)

  • 高機能銅張積層板

2. 機能性材料事業

  • 高性能プラスチック

  • 炭素繊維複合材

  • 高機能接着剤

3. 化学品・基礎素材事業

  • アルミニウム、石油化学製品

  • 無機化学品(アンモニア、塩素、ソーダ灰)

  • 樹脂原料

4. エネルギー・環境関連事業

  • EV用電池材料

  • 水素関連技術

  • 触媒・環境保全技術


レゾナックの強み

  1. 半導体材料の世界的競争力

    • パッケージ用封止材、CMPスラリーなどで世界トップクラスのシェア

  2. 幅広い事業ポートフォリオ

    • 化学、電子、機能性材料を横断的に展開し、景気変動リスクを分散

  3. グローバル生産・販売体制

    • 北米・アジア・欧州に製造拠点を持ち、顧客に近い形で供給

  4. 成長分野への積極投資

    • EV、再エネ、デジタル化社会に対応した新材料開発


業績と将来性

  • 成長分野

    • 半導体パッケージ材料(先端チップ向け)

    • EV用電池部材

    • 再エネ関連部材(風力・太陽光発電向け)

  • 安定性

    • 半導体業界の需要拡大を背景に、長期的な成長が見込まれる

  • 課題

    • 半導体市況変動による短期的業績の波

    • 統合後のシナジー創出・企業文化融合


レゾナックで働く魅力

  1. 最先端技術に関われる

    • 半導体・EVなど成長産業向け製品開発

  2. グローバルキャリアの機会

    • 海外拠点との協働や駐在の可能性

  3. 多様な事業分野でのキャリア形成

  4. 福利厚生・働き方の柔軟性

    • 在宅勤務制度、フレックス、社宅制度

国内の主要拠点

レゾナックの国内拠点は、本社機能、研究開発拠点、そして大規模な生産工場に分かれています。各拠点が連携し、多様な製品と技術を生み出しています。

  • 本社(東京): グループ全体の経営戦略や管理機能の中心です。
    • 所在地: 東京都港区芝大門1-13-9
  • 川崎事業所(神奈川県): 半導体・電子材料や高機能材料を製造する主力拠点です。
    • 所在地: 神奈川県川崎市川崎区扇町5-1
  • 大分コンビナート(大分県): 石油化学製品や化成品、機能性材料などを製造する大規模な複合生産拠点です。
    • 所在地: 大分県大分市大字中ノ洲2
  • 横浜事業所(神奈川県): モビリティ関連製品や機能性材料の研究開発と製造を行っています。
    • 所在地: 神奈川県横浜市鶴見区大黒町10-1
  • 筑波研究開発センター(茨城県): 半導体・電子材料、機能性材料などの研究開発を担う中核拠点です。
    • 所在地: 茨城県つくば市和台10番地
  • 群馬事業所(群馬県): 高機能な電子材料や化学品を製造しています。
    • 所在地: 群馬県高崎市倉賀野町576-1

海外の主要拠点

レゾナックは、グローバル企業としてアジア、北米、欧州に拠点を広げ、国際的な市場での存在感を高めています。

  • 米国:
    • Resonac America Corporation: 北米事業の統括拠点であり、半導体・電子材料や機能性材料の販売を管理しています。
  • ドイツ:
    • Resonac Europe GmbH: 欧州事業の統括拠点として、自動車、電子機器、産業資材などの分野に製品を供給しています。
  • 中国:
    • レゾナック(中国)投資有限公司: 中国における事業の中心であり、多岐にわたる製品の販売と技術サポートを行っています。
  • タイ:
    • Resonac Materials (Thailand) Co., Ltd.: 東南アジア地域の生産・販売拠点として、機能性材料などを供給しています。

転職希望者が押さえるべきポイント

求められる人材像

  • 材料科学、化学工学、電気電子分野の知識

  • 英語力(海外顧客・拠点との連携)

  • 半導体材料・化学品の研究開発・品質管理経験

採用職種例

  • 半導体材料の研究開発

  • CMPスラリーやフォトレジストの品質保証

  • 海外営業・マーケティング

  • 新材料のプロセス開発


まとめ

レゾナックは、昭和電工と日立化成の統合により生まれた総合化学メーカーで、特に半導体パッケージ材料や電子材料で世界的競争力を持ちます。EV・再エネ・デジタル化といった成長産業に直結する製品群を抱え、今後も市場拡大が期待されます。転職を考える場合は、自分のスキルを事業領域とマッチさせ、非公開求人を活用することで有利なキャリア形成が可能です。