日本の化学産業は、素材・エネルギー・農業・医療など幅広い分野を支える基幹産業です。本記事では、最新の有価証券報告書をもとに、日本の主要化学メーカーの売上高ランキングTOP10をご紹介します。

売上高ランキング一覧(2023年度)

順位 企業名 売上高(億円) 主な事業領域
1位 三菱ケミカルグループ 約44,000 機能化学品、ヘルスケア、炭素材料
2位 住友化学 約28,000 石油化学、農業化学、医薬品
3位 旭化成 約27,000 マテリアル、住宅、ヘルスケア
4位 信越化学工業 約23,000 塩化ビニル、シリコン、半導体材料
5位 三井化学 約17,000 モビリティ、ライフ&ヘルスケア、基盤素材
6位 東レ 約25,000 繊維、炭素繊維、フィルム・電子材料
7位 レゾナック・ホールディングス 約13,000 半導体・電子材料、機能性化学品
8位 積水化学工業 約11,000 住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックス
9位 東ソー 約9,500 石油化学、クロル・アルカリ、機能商品
10位 クラレ 約7,500 ビニルアセテート、イソプレン、繊維・テキスタイル

※売上高は各社の公表資料をもとにした概算値です。為替レートや連結範囲の変更により変動する場合があります。

各企業の特徴と強み

1位:三菱ケミカルグループ

三菱ケミカル、田辺三菱製薬(現・住友ファーマ)などを傘下に持つ日本最大の総合化学グループです。機能化学品から医薬品まで幅広いポートフォリオを展開し、グローバルに事業を拡大しています。近年は「KAITEKI」をコンセプトに、サステナビリティ経営を強化しています。

2位:住友化学

石油化学を基盤としつつ、農業化学(農薬・肥料)や医薬品、IT関連化学品など多角的な事業を展開。サウジアラビアとの合弁事業「ペトロ・ラービグ」でも世界最大規模のコンビナートを運営しています。

3位:旭化成

繊維・化学からスタートし、現在は住宅(ヘーベルハウス)やヘルスケア(人工透析膜など)まで事業領域を大きく広げたコングロマリットです。リチウムイオン電池のセパレーターでも世界トップシェアを誇ります。

4位:信越化学工業

塩化ビニル樹脂とシリコーンで世界トップクラスのシェアを持ち、半導体シリコンウェーハでも世界最大手。高い収益性を誇る優良企業として知られています。

5位:三井化学

自動車部品向け樹脂(アドマー、ミラストマーなど)やレンズ素材(MR™)に強みを持ちます。モビリティおよびヘルスケア分野への集中投資でポートフォリオ変革を進めています。

6位:東レ

炭素繊維複合材料で世界トップシェアを誇り、航空機・自動車向けに幅広く供給。また、水処理膜(逆浸透膜)でも世界有数のメーカーです。

7位:レゾナック・ホールディングス

昭和電工と日立化成が2023年に統合して誕生した半導体・電子材料の専門企業。CMP(化学機械研磨)スラリーや先端パッケージング材料を強みとしています。

8位:積水化学工業

住宅事業で有名な一方、化学品では自動車用中間膜(S-LEC™)や高機能フィルムで世界トップシェアを持ちます。廃プラスチックのケミカルリサイクル技術でも注目されています。

9位:東ソー

塩素・苛性ソーダを基盤としたクロル・アルカリ化学の大手。高機能材料(バイオサイエンス試薬、ジルコニアなど)でも独自の地位を確立しています。

10位:クラレ

ポバール(PVA)フィルムやエバールでグローバルトップシェアを誇ります。光学フィルムや医療用フィルターなど高付加価値製品にも強みがあります。

まとめ

日本の化学メーカーは、規模だけでなく、世界トップシェアを持つニッチな製品を多数抱えているのが特徴です。素材・エネルギー転換が加速する中、各社がどのようにポートフォリオを変革していくか、今後も目が離せません。